住宅ローンの固定金利と変動金利

住宅ローンには「固定金利」「変動金利」の2種類があります。
固定金利は借入時の金利が完済まで変わらないため、将来の返済額が計画しやすいのが特徴です。
一方、変動金利は半年ごとに金利が見直される仕組みで、経済情勢に応じて金利が上下します。
将来の金利動向に左右されるリスクと、各金利のメリットをどう捉えるかが選択のポイントです。

◆固定金利と変動金利のメリットとデメリットは?

固定金利の一番のメリットは、借入時から完済までの返済額が変わらないため、将来の資金計画が立てやすい点です。特に長期的な安定を重視する方に向いています。

一方で、固定金利のデメリットとしては、変動金利に比べて金利水準が高いため、総返済額が多くなる傾向があります。また、金利が将来的に下がった場合でも、その恩恵を受けることができません。安定性を取るか、柔軟性を取るかが選択のポイントになります。

変動金利の最大のメリットは、固定金利よりも初期の返済額が低く抑えられる点です。

固定金利と変動金利では、総返済額がどのくらい変わってくるのかシミュレーションをしてみましょう。

現在は金利が低いため、変動金利を選ぶ人が全体の約70%にのぼるとも言われています。

また、変動金利には返済額の急激な増加を防ぐための「5年ルール」や「125%ルール」といった制度も設けられています。

5年ルール:金利変動が起こっても5年間は返済額が変わらない制度

125%ルール:金利が大幅に上昇しても返済額はそれまでの125%以上にならない

変動金利のデメリットとしては、金利が大幅に上昇した場合には、返済額が増えても利息をすべてカバーできず「未払い利息」が発生する可能性があります。

◆変動金利の「未払い利息」とは?

5年ルールで返済額が変わらなくても、返済額の内訳(元本と利息)は変化します。金利が下降すると、元本の割合が上がるのでお得ですが、逆に上昇し続けた場合には、元本の割合が減り、利息が返済額の上限を上回ってしまう可能性があります。

例えば、返済額の上限が10万円のときに金利上昇が起こり、月々の利息部分が11万円になったとします。本来であれば返済額を11万円に引き上げるのですが、5年ルールがあるため返済額は10万円のまま変わらないとします。すると、1万円分の利息が支払われない状況が発生します。これが「未払い利息」です。

未払い利息が発生している状況が続くと、毎月利息だけを支払うことになり、元本が1円も減りません。

そして「新たに返済しなければいけないお金」として蓄積されていくので、総返済額も増加してしまいます。

未払い利息が発生する金利水準を事前に把握するための計算式があります。

例えば、
現在のローン残高:3000万円
変動金利:0.9%
毎月の返済額:10万円
という条件で計算してみると、未払い利息の分岐点は3.99%であることがわかります。このケースでは金利が3.99%まで上昇すると「未払い利息」が発生する可能性が出るということです。

リスクを十分理解した上で利用することが大切です。

◆メリットとデメリットを踏まえた住宅ローン選び

住宅ローンを選ぶ際は、固定金利と変動金利のメリット・デメリットを正しく理解することが重要です。その上で、ご自身のライフプランや将来の収支見通しに応じた金利タイプを選びましょう。

たとえば、長期的に安定した収入が見込める場合と、出費が増える子育て期間中では選ぶべき金利も異なります。

住宅ローン選びの参考にしていただけるよう、弊社ではお客様のライフプラン表作成サービスを提供しております。

将来の収支を「見える化」することで、より安心してローンを選んでいただけます。お気軽にご相談ください。

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