余計な担保提供をしないためには

▼収益マンション購入~融資の相談

石原様(仮名)は、相続対策の一環として収益マンションの購入を検討していました。
価格としては、2億~2億5000万円の収益マンションが予算でした。
弊社は、23区内のマンションを何件かご紹介した中で1件購入する方向で纏まりました。

購入の申し込みを済ませてから、融資の相談へと進めていくのですが、一つ問題が起きたのです。
石原様が以前からお取引もあり、先代からもお付き合いをしているメガバンクへ融資の相談を持ち掛けた時のお話です。

あるメガバンクの担当者は、不動産の資料から家賃収入、土地・建物への積算評価をしていくのですが、石原様に銀行担当者から連絡が入ります。

◆銀行

先日ご相談いただいた融資の件ですが、当行で積算したところ自己資金をもう少し上乗せしていただくか、裏の駐車場を追加で担保提供していただかないと今回の融資はご希望通りの金額までは出せません。


◇石原様

自己資金は他の用途で必要なこともあるので出せないのですが…


◆銀行

裏側の駐車場を追加担保提供してくだされば、今回の融資は可能です。

その後、石原様から
「銀行に相談したが追加担保を求められたので、何かいい方法はないでしょうか?」という相談を受けました。

弊社で積算をしたところ、自己資金を出した上で利回りや土地・建物の積算をしても充分満たされていると思いました。

▼▼▼他行への打診~融資条件は?

そこで石原様のお取引のある地元の信用金庫に打診をしてみました。
すると信用金庫の支店長が直ぐに石原様のご自宅に訪問して資料を持ち帰り数日後には、融資条件が出ました。

35年融資の固定金利1.3%
追加担保なし。

信用金庫の支店長から連絡を受けた私どもは、その回答を再度メガバンク担当者にぶつけてみました。

『地元の信用金庫に融資の相談をしたところ、石原様の希望額で追加担保提供もなしという回答を頂いたのですが同条件での融資は検討できないですか?』

すると、メガバンク担当者と支店長が直ぐに石原様のご自宅に訪問して融資条件の再検討の提案をしたのです。
翌日には、追加担保なしの条件で融資が可能とのことでした。

▼▼▼石原様の選択

石原様としては、以前から取引のある銀行でもあるので信用していたところ、ある意味余剰な担保提供を提案されたことと、ライバルが現れた途端に条件を緩くした銀行の姿勢が許せず、結果信用金庫での融資を受ける選択をしました。

また、約2000万円預けていたメガバンクへの預貯金も信用金庫へ移動する決断をされました。

今回のように明らかに石原様にとって不利益な提案をされたのですから懸命なご決断だったと思います。
しかし、銀行側もある程度甘く見ていたところがあったのかもしれません。
当行以外とは、特に密な取引はしておらず追加担保提供を受ければ、今後も長く取引が当行とできるであろうと。

このような銀行側がある意味、高をくくりながら顧客に対して不利益な提案をすることはよくあります。
石原様が最初の提案通り、余剰な追加担保をしてしまったら、相続税対策としての“駒”を一つ失うことになります。
土地を多く所有している方の相続対策は、土地を売却して納
税資金に充当される方も多くおります。
担保がついてしまっては、簡単に売却する方向には向かいません。


ですから、余剰な追加担保は提供せず、購入する予定の土地・建物の担保で購入できることが望ましいです。
そのためには、銀行の融資打診は最低でも2行に相談することをお勧めします。

ここがポイント!

銀行の融資相談は最低2行に相談しよう。
悪い条件を付けられないようにすることといい条件で融資を引き出すことがとても重要です。

どちらの条件がいいのかを見極めることと余計な条件を取り付けられないように天秤にかけることをしましょう。